「うみ」の解説と指導のヒント

小学校第1学年歌唱共通教材「うみ」について解説していきます。

後半では、ピアノ伴奏をする際のコツや指導のヒントについてもお伝えしていきます。

うみ 初級者向け
うみ 上級者向け

もくじ

歌詞について

歌詞は1、2、3番から成っています。

※著作権の関係から歌詞の掲載は控えています。

3番の「うかばせて」は、もともと「うかばして」だったところを昭和55年新指導要領実施の際に変更されました。

1~3番につながりがある?

3番まである歌詞はどれも海について歌っていますが、注目しているところが少しずつ移っていきます。

広大な海に感動

まずは1番で海を見た第一印象を歌います。

1番の意味

1.海はとても広くて大きいなぁ。

  月は昇ってくるし、日は沈むし、その大きさを感じさせる。

目に入る巨大なものといえば空・山・海などですね。

それぞれにロマンがあるように、いつも人々の憧れの対象です。

その中でも海は足元から広がっていくので、広大さをより体感しやすいのではと思います。

海を見た時は気持ちまでが広がっていく感じがします。

月が昇ったり日が沈んだり、宇宙にあるものが一つの海で見られるほど広大です。

波に思いをはせる

2番では焦点をしぼって波に注目します。

2番の意味

2.海は大きな波や青い波が絶えずある。

  波は揺れていて、どこまで続いていくのだろう。

海では大きな波や小さな波が絶えず見られますが、ここでは大波のみが歌われています。

焦点をしぼりすぎず、海全体を見渡しているためと考えることができます。

その波がどこまで続くのかと、気持ちはまた広大な海へと移っていきます。

気持ちはその先に

3番では広大な海の先に思いが及びます。

3番の意味

3.海にお船を浮かばせているとふと思う。

  よその国に行ってみたいなぁ。

広大な海の先には別の国があります。

見えはしないですが、心は海の先の国を訪れているのでしょう。

1番で海自体に感動した後、2番で波に注目し、最後の3番には海の先の遠い所へ思いをはせ、その視線の流れが自然であり、海の大きさを感じさせてくれます。

作詞者・作曲者

作詞者:林 柳波(他の代表的な作品…かくれんぼ、スキーの歌

作曲者:井上 武士(他の代表的な作品…チューリップ、こいのぼり)

演奏・指導のヒント

小学校に入る前から知っている子も多い『うみ』。

小学生のお兄さんお姉さんになって、少し踏み込んで曲の要素がわかると、もっと『うみ』が好きになってくれるはず!

『うみ』の要素を感じるためには、次の3つを意識して指導することをオススメします。

  • 3拍子の揺れを感じる
  • 小節のまとまりを感じる
  • 同じリズムでも歌い方を変える

3拍子の揺れを感じる

24曲ある小学校歌唱共通教材曲で3拍子の曲は4曲のみです。

『うみ(1年)』『冬げしき(5年)』『おぼろ月夜(6年)』『ふるさと(6年)』

第1学年で3拍子の流れをつかんでおくと、他の曲でも拍子の感覚がとらえやすくなります。

3拍子の揺れを感じてもらうために、1小節ごとに体を揺らしたり、腕を振ったりするとわかりやすくなります。

3拍子の揺れを感じることができたら、次のステップ”小節のまとまりを感じる”です。

小節のまとまりを感じる

先ほどは1小節ごとでしたが、2小節、4小節、8小節でもまとまりを感じます。

2小節で 寄せ波 と 引き波 を感じる

歌詞が2小節ごとに区切りがあるので、わかりやすいですね。

腕を振って波を感じますが、最初の1小節で向こうから手前、次の1小節で手前から向こうに振ると、1小節ごとの横の揺れよりも立体的に空間がとらえられます。

4小節で文のまとまりを感じる

この曲は1番から3番までいずれも2つの文でできています。

その2つの文は同じリズムで構成されています。

歌詞の文を音読してから歌ってみることも、2つの文のまとまりを感じやすくなる方法です。

8小節で一つの山を感じる

前述のようにリズムは2回繰り返されていますが、音の高さは異なります。

特に、3~4小節目の上昇型と5小節目の最高音で、この曲の一つの山がわかりやすくなっています。

一つの山を感じることで、海の広大さを感じやすくなります。

1小節・2小節・4小節・8小節のまとまりがそれぞれ感じられるようになったら、同時に2種類のまとまりを感じてみると、音楽の表現がより楽しくなります。

同じリズムでも歌い方を変える

4小節ごとの終わりは二分音符と四分休符の組み合わせです。

前述の8小節のまとまりを感じられるようになると、この部分の歌い方が自然に変わるようになります。

4小節目は次の盛り上がりに向けて少しクレッシェンドをし、休符も次へつながる緊張感があります。

一方、8小節目は曲の終わりなので、少しデクレッシェンドをし、最後の休符は余韻を味わう時間となります。

この2か所だけを歌い比べてみるとよくわかります。

まとめ

歌唱共通教材では珍しい3拍子の『うみ』。

3拍子の揺れだけでなく、小節ごとのまとまりを感じられると、自然と広くて大きい海を表すことができるようになります。

同じリズムでも違う歌い方をすることで、表現することの喜びにつながっていきます。

子どもの頃に親しんできた曲をさらに踏み込んで知ることで、音楽が好きになってほしいです。