小学校第1学年歌唱共通教材「かたつむり」について解説していきます。
後半では、ピアノ伴奏をする際のコツや指導のヒントについてもお伝えしていきます。
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もくじ
歌詞
歌詞は1、2番から成っています。
1.でんでんむしむし かたつむり
おまえのあたまは どこにある
つのだせ やりだせ あたまだせ
2.でんでんむしむし かたつむり
おまえのめだまは どこにある
つのだせ やりだせ めだまだせ
※”あたま”と”めだま”のどちらを歌うか迷いやすいですが、1番があたま、2番がめだまです。
”五十音順で 1番:あたま 2番:めだま の順に歌う”と思うと覚えやすいです。
”つの” や ”やり”って?
歌詞全体の意味としてはそのままですが、かたつむりの体の部分がたくさん出てきます。
それぞれどこにあるのかを見ていきます。
あたまはどこ?
まず、「あたま」と言われる部分はこちらです。
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危険を察知して殻に閉じこもったあとに出てくる部分の全体を指します。
めだまはどこ?
「めだま」はこちらです。
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つのはどこ?
「つの」は触角のことですが、下の方の小さな触角で、触覚を感じとる部分です。
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やりはどこ?
「やり」にはいろいろなとらえ方があり、
①「恋矢(れんし)」と呼ばれる部分
②目玉がついている「触角」
この2つが挙げられます。
まず、①前者の考え方「恋矢」については、かたつむりが生殖行為を行う時に相手に突き刺す部分です。
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かなり激しく突き刺し、突き刺されると寿命が縮まることもわかっています。
突き刺すことからも、「やり」と言われる理由なのかもしれません。
②後者の考え方「触角」については、目玉がついている方を指します。
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昭和52年に発行された文献に明記されています。
「かたつむり」の「角」「槍」とは、それぞれ一対ずつの触角を言い、「槍」は先端に目玉のついている方のことで、これは殻の中に入っているかたつむりに呼びかけた言葉である。
金田一春彦・安西愛子『日本の唱歌(上)明治篇』p.300
子どもが歌う歌はわらべうたから来ているものが多くあります。
それを考えると、なかなか見る機会のない生殖行為の際に出てくる「恋矢」よりは、子どもたちがつついて出てくる「触角」の方が自然なのではないかと思います。
もともとは調が違う?
明治44年5月に登場した「かたつむり」は、もともと#2つのニ長調で書かれていました。
のちに#が全くないハ長調に変更されています。
楽譜を読む際にも、平易になるように変更されたのでは、と考えられます。
歌うときには歌詞だけでなく音名(ドレミ)でも歌うと、音の高さも覚えやすくなります。
演奏・指導のヒント
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初めて学校で音楽を学ぶ子どもたちに学んでほしいことは、音楽を楽しんでもらうことだと思います。
「かたつむり」を通して音楽の楽しさを感じるためには、次の3つを意識して指導することをオススメします。
- 2拍子に楽しくのる
- リズムの違い(8分音符と付点8分音符)を見つける
- 曲の盛り上がりを体感
2拍子に楽しくのる
2拍子は「 強・弱・強・弱…」と拍の強さが交互に出てくるため、歌いやすい拍子です。
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その拍を感じてもらうために、歌いながら手拍子や打楽器などでリズム打ちもできます。
リズム打ち例1
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リズム打ち例2
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拍をしっかり感じ取ることで次の項目の”リズムの違い”も聴き分けやすくなります。
リズムの違い(8分音符と付点8分音符)を見つける
この曲はリズムの種類が4種類だけです。
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中でも「かたつむり」の楽しさが表れているのが①の「タッカ」のリズムです。
そこで、わざと違うリズムで演奏してみて「どこが違っていたでしょう?」とクイズにすることもできます。
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このリズムの違いを理解することで次の項目の”曲の盛り上がりを体感”することにもつながっていきます。
曲の盛り上がりを体感
タッカの楽しいリズムで2段歌ってきた後、3段目に曲の盛り上がりがやってきます。
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ここは音も高いドを出し、リズムも8分音符の連続で一つずつ力を込めて歌える箇所です。
試しにタッカのリズムのままだと盛り上がった感じが半減します。
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音の高さとリズムの両方で盛り上がりを演出している「かたつむり」はすごい!
まとめ
小学校に入る以前から歌っている子も多い「かたつむり」。
楽しく歌ってきた歌だからこそ、楽しさの理由もスッと理解しやすくなります。
拍子やリズムの楽しさ、曲の盛り上がりなど、本当にうまく作られている曲です。
この曲をちょっとでも深く知ることで、歌うこと・演奏すること・知っていくこと どれもが面白く楽しいものだな、と思ってもらうきっかけにつなげていきたいです。
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